追分ソーランラインが続く。
松前町に入った。
時間は0時を回り、日付も次の日に。
この頃、私の身体には変化が起き始めていた。



それが強烈な眠さ。
泥人形さんに前を曳いてもらっていたが、彼の姿が二重にダブって見える。
その内に蛇行し始めて、これはマズイと感じた。
前の日、4時間ぐらいしか寝てないのがここになって響いてきたか。
おやじは起きるのも早いが、寝るのも早いのよ^^;
いつもならとっくに寝ている時間、泥人形さんに声を掛けた。



幸い、屋根付き個室のバス亭があって、ついにそこでダウン。
ゴロっと横になって瞬く間もなく眠りに落ちた。
その間、泥人形さんはどうしていたかというと、バス停にも入らず寒空の中、一人外で待っていてくれたのだ!
「睡眠の邪魔になると思って」
なんという彼の優しい心遣い!
一人で寝てしまった自分、申し訳ない…
仮眠したのは10分少々だったが、お陰でスッキリしました。
その後も欠伸は連発したが、走れないほどではなかった。
泥人形さん、ありがとうございました。

        

仮眠したバス停、電気が点いていて明るく、てっきり誰か消し忘れたのだろうと思っていたが、考えてみればバス停に明かりが灯るというのも不思議な話し。
しかし、その後のバス停も電気が点いていたり、挙句の果てには布団まで敷いてあるところも…
これはもしや旅行者、チャリダー、ライダーの為に用意されているのではないだろうか。
そうだとしたら、これは凄い。
さすが松前町、北海道唯一の城下町だけあるな。
ここは旅人にも優しい町なのです^^



 
PC5福島町310.7km地点、到着。
クローズ2:44の30分前、ギリ^^;
仮眠がロスタイムとなってしまった。
ここでタイムアウトで失格だなんて目も当てられない。
次は自分が前を曳きます。
ここで7~8名の集団と合流、この後も抜きつ抜かれつ、ゴールまで一緒になるわけだが。



 
次のPC6は最後のチェックポイント。
76km先の386.8km地点。
知内、木古内、上磯へと向かう内に周囲は明るくなり始め、ようやくナイトライド終了。
明るくなると身体も動く。
やっぱり人間は昼行性の生き物なんだね。



と、ここで泥人形さんのペースが落ちてきた。
さすがの超人も睡魔との闘いに必死で、ペダルを踏む力が出てこないようで。
すでに24時間も走っていて、仮眠も取っていない泥人形さん、
ここで力尽きるのかー!



と思いきや、持ち前のパワーで走り続ける。
多分、ヒメヒメ~♪ って唄っていたのかもね(笑)

 

そしてラストのPC6、こちらもクローズ30分前、セーフ^^;
この時点で結構空腹感を覚えていた。
レジ前にあった「お魚とお豆腐のさくさくロール」を無性に食べたくなってパクついたが、これが超裏目。
ここで胸焼け地獄に…
これまで油モノを控えていたおかげで何とかもった胃袋、ここに来て最大のピンチ!
といっても、あとゴールまで16kmちょっと、脚もまだまだ余力が残っており、完走は確信していた。



さあ、ゴールまでラストラン。
ムカムカする胸焼けを抑え、函館新道の側道へ入るが…
最後の最後まで上り坂ですかい!



ゴール間近で強烈なヒルクライム…
こみ上げてくるものを必死に堪えてペダルを踏み込む。
そして・・・

集団が一丸となって、
GOAL!!!




ついにやりました!
公式タイム26時間21分(だったかな?)、制限時間27時間を39分下回るタイムでゴールです!
こうしてBRM1012函館400は無事完走出来ました。
まずは泥人形さんとゴールの喜びに浸りましょう。
ヤッター、ヤッター、ヤッターマン! 
(古いね、これ^^;)



 
総走行距離403.3km、古ちびコンビは走りきりました!
初挑戦で初完走、もう感無量です。



 
ゴールの瞬間は意外に冷静で、身体のあちここちチェックを。
まだまだ脚力が残っていたのには自分でも驚き。
初の400kmだったけれど、まだいけそうな感じがした。
しかし、上体を支える上腕部に痛みが出ていて、これはハンドル周りにキューシートやライトやサイコンが取り付けられていて、ブラケット部しか握れなかったことが原因。
ずっと同じポジションだったので、これではドロハンの意味が無い。
また、BROOKSからPrologoのサドルに替えたのだが、試乗出来ずにぶっつけ本番。
少し前上がりだったのだろう、お尻が痛くて痛くて…(;ω;)



そう考えると、函館400は完走出来たがそれ以上を目指すのであれば、ポジションやセッティングの見直しが必要だと思った次第。



 
主催者のAJ北海道スタッフの皆様、ありがとうございました。
皆様のご尽力で実現した函館400、自分も参加し楽しませて頂きました。
泥人形さん、ありがとうございました。
あなたがいなければ完走は無理だったでしょう。
城岱牧場へのヒルクライム、松前での仮眠、そしてゴールまで、同行者がいることでお互い切磋琢磨し走り続けることが出来たのですから。
自分一人ではとっくに心が折れていたに違いありません。
感謝申し上げます。

 

これで自分も400kmの仲間入り、
サイクリストとしての勲章がまた一つ増えました^^

 
まだまだ続く、次はグルメ編です。